
消化器内科(消化管内科・肝臓内科)
消化器内科(消化管内科・肝臓内科)からのお知らせ
◆胆石症 胆嚢ポリープでお悩みの方 当院では消化器外科にてご相談下さい◆胆石症 胆嚢ポリープを指摘されたことはありませんか?
当院消化器外科は、胆石症と胆嚢ポリープの加療あるいは経過観察の経験が非常に豊富です。
「胆石症や胆嚢ポリープでちょっと相談してみたいなあ」と思われる方は、ぜひ当院消化器外科を受診してみて下さい。
手術適応はもちろん、経過観察上の注意点などを丁寧に説明させて頂きます。
特色
当科は、食道・胃・大腸などの消化管や肝臓・胆嚢・膵臓などの臓器を扱う診療科です。
幅広い疾患に対応出来るよう、スタッフそれぞれの専門性を活かし、レベルの高い臨床を目指しています。また外科・IVRセンター・放射線治療科など他の診療科との緊密な協力体制のもとに診断・治療を行っています。
代表的な対象疾患と診療内容
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上部消化管(食道・胃・十二指腸)疾患
- 食道
食道がん:内視鏡検査でstage0の粘膜内がんと推察される病変に対してESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)を行います。またstageI,II,IIIの症例で外科手術を全身状態などで選択されない症例に対して、放射線治療や薬物療法を行います。StageⅣの症例では薬物療法を中心に治療を行います。
注:当院では食道がん外科手術症例は実施可能施設にご紹介させて頂いております。
逆流性食道炎・食道裂孔ヘルニア:胸やけや吞酸症状や嚥下困難感などの症状に対してP-CAB(カリウムチャネル競合型胃酸抑制薬)やPPI(プロトンポンプ阻害薬)などで治療を行います。高度の食道裂孔ヘルニアに因り薬物治療で効果が乏しい症例では外科に手術目的でご紹介させて頂きます。 - 胃
胃がん:早期胃がんで見つかった症例では、内視鏡検査やCT検査でガイドラインに示されている内視鏡治療適応範囲内かどうかを診断し、適応の診断に至ればESD (内視鏡的粘膜下層剥離術)を行います。それよりやや進行しているものの外科的根治切除が目指せる症例は外科に紹介させて頂き、肺や肝臓に遠隔転移があるなど根治切除が難しい症例では免疫チェックポイント阻害薬などによる薬物療法を当科で行います。
胃十二指腸潰瘍・ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎
薬物療法や出血性潰瘍に対する緊急内視鏡的止血術などを行っています。また潰瘍の主な原因であるヘリコバクター・ピロリ菌の検査を実施して、陽性であれば原則として除菌療法を行っています。なお2013年から潰瘍がなくとも半年以内の上部消化管検査歴がありピロリ菌の検査が陽性であれば保険診療で除菌療法ができるようになりました。当科でもそのような症例では積極的に除菌療法を行っています。
胃粘膜下腫瘍
サイズの大きい病変や増大傾向のある病変または悪性を疑う病変ではEUS(超音波内視鏡検査)に加えて切開生検やEUS-TA(超音波内視鏡下組織採取)を行っています。
- 食道
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下部消化管(大腸・小腸)疾患
- 大腸
大腸ポリープ・大腸がん:下部消化管内視鏡検査は原則、日帰りで行っています。内視鏡検査でポリープが見つかった際は可能な範囲で同日にポリープ切除を行います。また早期大腸がんあるいは早期大腸がんの可能性の高い病変で、ガイドラインで適応とされる病変に関してはESD (内視鏡的粘膜下層剥離術)を行っています。進行大腸がんは外科と連携をとり、外科手術や内視鏡的ステント留置術や薬物療法など病状に応じて治療を行っています。
炎症性腸疾患
近年炎症性腸疾患は増加しています。厚生労働省の特定疾患としては潰瘍性大腸炎・クローン病などがあります。潰瘍性大腸炎やクローン病に対してはメサラジン、ステロイド、生物学的製剤などの薬物療法を行っています。また腎センターで白血球除去療法を行うことも可能です。 - 小腸
腸閉塞:原因として最も多いのが癒着による小腸イレウスです。鼻からイレウス管を入れて腸管内の減圧を図るなど外科と連携して治療します。
注:当科では小腸カプセル内視鏡検査は行っておりません。
- 大腸
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肝疾患
- 脂肪性肝疾患・アルコール肝疾患
健康診断等でALT>30であった場合、まずかかりつけ医等を受診し、必要があれば、消化器内科等の専門診療科で精密検査を受け、肝疾患の早期発見・早期治療に繋げることが推奨されています(奈良宣言2023)。特に頻度が多いのは、MASLD(代謝機能障害関連脂肪性肝疾患)です。最近MASLDは従来のNAFLD(非アルコール性脂肪性肝疾患)から名称が変更されました。当院では血液バイオマーカーや超音波エラストグラフィー等を用いて非侵襲的に肝線維化を評価しています。食事・運動指導に加え、糖尿病・内分泌内科と連携し、抗肥満薬などの薬物療法を組み合わせた包括的管理を行っています。
- C型慢性肝炎、B型慢性肝炎
C型慢性肝炎に対するインターフェロン・フリー治療を積極的に導入しています。ほぼ100%近くウイルス排除が可能であり、WHOが掲げている2030年までにC型肝炎の撲滅を目指しています。
B型慢性肝炎の抗ウイルス療法にも意欲的に取り組んでおり、エンテカビル、テノホビルアラフェナミドなどの核酸アナログ製剤の投与を積極的に行っています。 - 肝硬変
難治性腹水を伴う肝硬変に対しては、利尿剤、アルブミン製剤、腹水穿刺排液やCART(腹水濾過濃縮再静注法)療法なども積極的に行っています。
食道静脈瘤の内視鏡的治療は予防的治療が中心で、結紮術、硬化療法、およびアルゴンプラズマ凝固による地固め療法などを行っています。破裂例にも緊急で対応しています。
高アンモニア血症に対しては、投薬治療の他に、必要に応じてIVRセンターと協力して経皮経肝的塞栓術(PTO)やバルーン閉塞下逆行性経静脈塞栓術(BRTO)を施行しています。 - 肝細胞癌
当科では肝細胞癌精査のため、全国的にもレベルの高い腹部エコーや造影エコー、造影CT、EOB-MRIの検査が可能です。肝細胞癌の治療は、外科、IVRセンター、放射線治療科と連携し、肝切除術・ラジオ波焼灼術(RFA)・肝動脈化学塞栓術(TACE)、定位放射線治療 (SBRT)、薬物療法など集学的な加療が可能です。薬物療法は免疫チェックポイント阻害薬を用いた免疫複合療法の他にソラフェニブ、レゴラフェニブ、レンバチニブ、カボザンチニブなどの分子標的薬を積極的に導入しております。
- その他
自己免疫性肝炎、原発性胆汁性胆管炎、原発性硬化性胆管炎、ウイルソン病といった指定難病に対する治療も行っています。
- 脂肪性肝疾患・アルコール肝疾患
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胆道、膵疾患
- 胆道疾患
総胆管結石
総胆管に結石があることで、黄疸・腹痛・発熱等を来たすことがあります。総胆管結石に対して内視鏡を用いた治療を行います。EST(内視鏡的乳頭括約筋切開術)・胆管結石除去術・胆道ステント留置術などを行っています。
胆道がん
胆道とは肝臓で作られた胆汁が十二指腸に流れ込むまでの流れ道です。胆道がんは胆管がん、胆嚢がん、十二指腸乳頭部がんに分類されます。CT・MRI・EUS(超音波内視鏡検査)やERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)で画像診断を行い、細胞や組織を採取して行う病理検査で診断します。黄疸を伴っていれば、胆道ステント留置術を行います。胆道がんの治療法としては手術・薬物療法があり外科と共同して適切な治療を提供します。 - 膵疾患
急性膵炎
腹痛で発症することがほとんどであり救急対応となることが多い疾患です。救急部と協力して迅速に対応します。主に点滴や鎮痛薬を用いて治療を行いますが、胆石が原因であれば早期にEST(内視鏡的乳頭括約筋切開術)や胆道ステント留置術を行います。
自己免疫性膵炎
自己免疫性膵炎は黄疸や糖尿病の悪化などで見つかることがありその診断には血液検査・腹部超音波検査・CT・MRI・EUS(超音波内視鏡検査)などを行います。また必要に応じてEUS-TA(超音波内視鏡下組織採取)を行います。IgG4関連疾患として膵臓以外にも病変を伴うことがあり、膠原病リウマチ内科とも協力の上で診断し治療にはステロイドを使用します。
膵がん
膵がんが発生しても小さいうちは症状が出にくく、進行してくると、腹痛・食欲不振・黄疸・背中の痛みなどが起こります。糖尿病が急に発症することや悪化することがあり、膵がんが見つかるきっかけになることもあります。膵がんが疑われる場合には腹部超音波検査・CT・MRI・EUS(超音波内視鏡検査)で評価し、EUS-TA(超音波内視鏡下組織採取)・SPACE(膵液連続細胞診)などで病理診断を行います。
膵がんの治療には手術・薬物療法・放射線治療があり、外科・放射線治療科と共同して適切な治療を提供します。また胆道狭窄や消化管狭窄合併にはステント留置術を行っています。
膵がんは特に早期発見が重要ですので、人間ドック・健診・地域医療機関とも連携し当院でも定期的な検査で早期発見に努めています。
IPMN(膵管内乳頭粘液性腫瘍)
膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN:Intraductal Papillary Mucinous Neoplasm)とは、膵管の中で発生する腫瘍の一種で、IPMNは腹部の画像検査で膵管の拡張や嚢胞として指摘され、人間ドックや健診で偶然指摘されて受診される患者さまが多くいらっしゃいます。膵臓の嚢胞は、腹部の画像検査を行った際に2~38%の方で指摘されると言われており、膵嚢胞性疾患の多くがIPMNと診断されるため、IPMNと診断される機会が増えています。腹部超音波検査・CT・MRI・EUS(超音波内視鏡検査)・腫瘍マーカーなどの検査を用いて評価し、IPMNと診断された場合でも治療の必要がない良性の腫瘍である場合から、手術が必要な悪性の腫瘍である場合もあります。一旦は良性IPMNと診断された場合でも、その後も良性IPMNの状態で留まっているとは限らず、がん化することやまたIPMNとは関係の無い部分に膵がんが発生することがあり、IPMNそのもののがん化率は年率0.2~3.0%、別の部位にがんが併存する確率が年率0~1.1%とされています。そのため一旦は良性IPMNと診断された場合でも、引き続き定期的に検査を受けて頂く必要があります。
- 胆道疾患
治療実績 診療実績
患者数(2024年度)
- 外来患者延数
- 20,009人
- 外来患者月平均
- 1,667人
- 入院患者延数
- 10,093人
- 入院患者月平均
- 841人
検査・処置件数(2024年度)
上部内視鏡総数 7,658件(施設合計)
- 経鼻
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2,873件
- EUS
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146件
- ERCP
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248件
- ESD
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105件
(食道、胃・十二指腸(大腸含む))
下部内視鏡総数 2,159件(施設合計)
認定施設
- 日本内科学会認定内科専門医教育病院
- 日本消化器病学会認定施設
- 日本肝臓学会認定施設
- 日本消化器内視鏡学会認定指導施設
- 日本超音波医学会認定指導施設
- 日本がん治療認定医機構認定研修施設
- 大阪府指定がん診療拠点病院
スタッフ体制
医師名 | 役職 | 専門 | 資格 |
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(応援医師:常松日奈子)
研究内容
- C型慢性肝炎のウイルス排除後の発癌
- B型慢性肝炎の核酸アナログ療法後の発癌
- 進行肝癌に対する分子標的薬の治療効果
- ヘリコバクター・ピロリ除菌後の胃発癌
- 内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)に関連した臨床研究
連携医療機関の先生方へ
初診紹介は地域医療連携室経由で外来予約していただけます。当日の受診も可能です。検査結果は速やかに返書してお伝えいたします。緊急検査も出来る限りご期待にお応えいたします。また消化器センターでは、希望されれば鎮静下での上下部消化管内視鏡検査をいたします。予約制となります。