
血管内治療(IVR)センター
特色
IVRとはX線透視、CTや超音波などの画像をモニターしながら、体内に細い管(カテーテル)などを挿入して治療を行う方法です。当院では血管内治療(IVR)センターにおいて数多くのIVR治療を行っています。
この中で、特に血管病変についての治療を血管内治療と言い、EVT(EndoVascular Treatment)とも呼ばれています。対象となる疾患としては動脈硬化などで狭くなったり詰まった血管や、血管が膨らんでしまった動脈瘤などです。この領域の治療方法としては、従来から行われている外科的な手術療法と、最近目覚ましく進歩している血管内治療の2つに大別できます。施設によってこの治療を行っている診療科は様々ですが、当院では心臓血管外科・放射線診断科が中心となり、個々の患者さまに最適な治療方法をカンファレンスで検討することで最適な医療を行うため、血管内治療(IVR)センターを設立いたしました。胸部・腹部の大動脈瘤治療は心臓血管外科と放射線診断科が共同で、内臓動脈瘤は放射線診断科が治療を担当いたします。下肢動脈の閉塞性動脈疾患(PAD)の治療に当たっては、これらに加え腎センター・皮膚科・形成外科・整形外科も加わって定期的にカンファレンスを行い、最適な治療を目指しています。頸動脈の狭搾病変については、脳神経外科・脳神経内科も加わってのカンファレンスにて治療方法を検討するようにしています。カンファレンスの結果外科的手術が最適であると判断された場合は、心臓血管外科において大動脈瘤の手術や下肢動脈のバイパス手術などが行われます。
IVR (Interventional Radiology)
当院では日本IVR学会IVR専門医の指導のもと、年間約900件のIVR手術を行なっています。(詳細は一覧表参照ください) 2011年に血管撮影装置が更新され、特に動脈閉塞狭窄疾患のPTAやステント治療などの血管内治療に力をいれています。下肢のPTAでは膝下(BK)領域、足関節以下(BA)領域でも適応があれば積極的に治療しています。心臓血管外科との協力で行っている大動脈ステントグラフト挿入も開始以来約500例を数え、日本ステントグラフト実施基準管理委員会の5名の指導医と2名の実施医を擁する全国でも有数の施設です。胸部・腹部の大動脈ステントグラフトとならび浅大腿動脈ステントグラフト留置術や頸動脈ステント留置の施設基準もみたし治療を行なっています。血管塞栓術や門脈系のIVR、日帰り入院でのCVポート留置、胆道系ステント・RFA(ラジオ波焼灼術)・CTガイド下肺生検などの非血管系IVR治療なども多く行なっています。
治療実績 診療実績
IVR件数 IVR学会登録件数 |
2019年 913件 |
2020年 880件 |
2021年 730件 |
2022年 781件 |
2023年 815件 |
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腹部大動脈ステントグラフト(EVAR) | 37 | 20 | 20 | 21 | 20 |
胸部大動脈ステントグラフト(TEVAR) | 16 | 14 | 24 | 14 | 14 |
肝動脈塞栓術(TACE) | 49 | 47 | 40 | 44 | 27 |
内臓動脈瘤塞栓術(コイル) | 8 | 3 | 12 | 14 | 11 |
BRTO/PTO | 5 | 7 | 0 | 5 | 9 |
下肢血管拡張術(PTA) | 121 | 142 | 148 | 144 | 129 |
腎動脈ステント(RAS) | 5 | 3 | 4 | 6 | 1 |
透析シャントPTA | 75 | 86 | 73 | 76 | 74 |
CTガイド肺生検 | 53 | 50 | 42 | 29 | 33 |
CTガイドRFA | 3 | 3 | 3 | 6 | 11 |
経皮胆管ドレナージ(PTCD) | 13 | 18 | 10 | 7 | 12 |
CVポート (挿入+抜去) |
144 | 164 | 179 | 208 | 192 |
スタッフ体制
医師名 | 役職 | 専門 | 資格 |
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- 胸部大動脈ステントグラフト指導医 5名
- 腹部大動脈ステントグラフト指導医 6名
連携医療機関の先生方へ
IVRの適応が考えられる患者さまは、適応の有無の判断に必要な検査も併せて当院で行うことが可能ですので、 ぜひ血管内治療(IVR)センターへご紹介ください。
お問い合わせ先: 地域医療連携室 TEL:06-6447-3031FAX:06-6447-3052
冠動脈疾患については循環器内科、血管内治療以外のIVR手技については当センターまでお気軽にご相談ください。
なお、医療従事者向け会員登録サイト「m3.com」内にも当センター紹介記事を掲載しています。
下記URLよりご参照ください。(※閲覧にはm3会員IDでのログインが必要になります)
https://renkei.m3.com/articles/169