膠原病・リウマチ内科

膠原病・リウマチ内科

特色

平成27年度より新たに開設した科です。平成28年度より常勤スタッフとなり入院患者の対応も可能となりました。あらゆる膠原病リウマチ性疾患に対応します。膠原病は、診断を確定することが最も重要です。特に、発症早期の治療と患者教育がその後の疾患の再燃を減らす大事な要素であり、基本的に初発時は入院加療とします。ガイドラインを参考にしつつ、年齢や病状に応じた治療を心がけています。
関節リウマチの治療はこの20年ほどで多くの生物学的製剤が登場し、寛解を目指す治療へと大きく変化しました。膠原病と同様に早期診断、早期治療介入が大事です。血清学的なマーカーが陰性の関節リウマチも日常的に良く経験します。関節破壊は発症早期に進行することが知られており、関節エコーや関節MRIを行うことで早期に確定診断をつけて治療のタイミングを逃さないようにします。関節リウマチの患者さんは関節外症状を認めなければ、活動性が安定した後に逆紹介や共観として開業医の先生方と一緒に治療することを目指しています。

対象疾患と診療内容

膠原病は感染症、悪性腫瘍などの鑑別を行い、診断基準、分類基準に照らして確定診断をつけた後に治療を開始します。従来はステロイド治療が中心でしたが、最近はカルシニューリン阻害薬などの優れた免疫抑制剤をうまく使うことによりステロイド使用量をできる限り減らし、副作用(易感染症、骨粗鬆症、糖尿病、白内障など)を最小限にして原疾患の活動性を抑える治療が望まれます。2段階の治療戦略でまずはステロイドパルス療法やシクロホスファミドパルス療法などを含めた寛解導入療法でこの時期はステロイドや免疫抑制剤も高用量で使用します。その後、病気の活動性が安定していけば内服薬を減量して外来で再燃しないような投与量で維持療法を行います。1年ほど病態が安定すればさらに内服薬を減量していきます。膠原病リウマチ疾患は多彩な病態を引き起こし多臓器に病変を伴うことが多く、呼吸器内科、腎臓高血圧内科、代謝内分泌内科、整形外科、皮膚科、耳鼻咽喉科など他科と一緒に検査や治療を行っていきます。

  • 全身性エリテマトーデス

    免疫抑制剤としてタクロリムス、ミコフェノール酸モフェチル、ヒドロクロロキンなどが使用可能となりステロイドと併用して治療を行います。ベリムマブという皮下注製剤も登場し、治療の選択肢は増えています。抗リン脂質抗体症候群や習慣性流産の原因となっていることもあります。

  • 皮膚筋炎・多発性筋炎

    咳、労作時の呼吸苦などの呼吸器病変や歩行困難などで発症することが多いです。手指や肘の伸側のカサカサした落屑を伴う皮疹が特徴的です。筋炎を診断する特異的な自己抗体が多く発見され、血液検査でスクリーニングできるようになり、従来より診断をつけやすくなりました。時に急速に進行する間質性肺炎を合併することがあります。また、悪性腫瘍にともなうことも多く、タクロリムス、ステロイド中心に治療を行います。

  • ANCA関連血管炎

    風邪症状としては少し違和感のあるCRP上昇や繰り返す発熱などでMPO-ANCA、PR3-ANCAなどを測定することで診断がつくことが多いです。腎病変を合併することも多く腎生検を行い、ステロイド、免疫抑制剤で治療します。最近は悪性リンパ腫に使用されているリツキサンが著効するため早期から使用しています。肺出血を伴う場合は血漿交換を行います。

  • 強皮症

    皮膚が硬化する疾患で手指に限局するタイプと全身性のタイプがあります。間質性肺炎や肺高血圧症を合併することも多くシクロホスファミドパルス療法やエンドセリン受容体拮抗薬などの肺高血圧症の治療薬を用いて労作時呼吸苦を改善させます。腎クリーゼの場合は血漿交換を行うこともあります。

  • 関節リウマチ

    生物学的製剤(インフリキシマブ、アダリムマブ、エタネルセプト、トシリズマブ、アバタセプト、ゴリムマブ、セルトリズマブ、インフリキシマブバイオシミラー)、JAK阻害薬など全ての生物学的製剤を使用可能です。患者さんの状態に応じて判断します。高齢者では慢性腎臓病がありメトトレキサートが十分使用できないこともあり生物学的製剤で早期にコントロールを行い、抗リウマチ薬を調節したり、場合によっては生物学的製剤単剤でのコントロールを目指します。また挙児希望のある患者、妊娠希望していて疾患活動性のコントロールがつかない場合、妊娠に影響のある内服を変更したい場合にも早期に生物学的製剤をうまく使用し、妊娠、出産をして産後の子育てに支障のないような治療を行います。当院は産科がありませんが、特別リスクが高くなければ当科でリウマチの治療をしながらの他院で出産ということも可能です(これまでも実績があります)。

  • リンパ増殖性疾患(キャッスルマン病、IgG4関連疾患)

    炎症反応高値、貧血、リンパ節腫脹などを認め、リンパ節腫脹がある場合にはキャッスルマン病が疑われます。リンパ節の組織診断がつけば、トシリズマブの点滴にて改善します。ごく一部の人はトシリズマブだけでは、効果不十分なことがあり、現在、多施設共同でシロリムスを併用する医師主導臨床治験に参加しており、治療に難渋されている方にも期待できます。
    IgG4関連疾患は、自己免疫性膵炎、ミクリッツ病、後腹膜線維症などが含まれ、組織でのIgG4陽性形質細胞の浸潤と血清IgG4が135mg/dl以上となっているような疾患群です。こちらは少量ステロイドが著効します。

  • その他

    膠原病肺(呼吸器内科と一緒に治療を行います)、好酸球増多症(特発性、好酸球性血管性浮腫、好酸球性筋膜炎など)、若年性特発性関節炎、小児・若年者の膠原病の治療も行います。当科で対応が難しそうな場合は小児専門で対応してもらえる施設への紹介をします。

    実施可能な主要検査
    腎生検、口唇唾液腺生検、関節エコー、呼吸機能検査、核医学検査、CT、MRI

認定施設

  • 日本リウマチ学会教育施設
  • 日本アレルギー学会認定教育施設
  • 日本腎臓学会認定研修施設

スタッフ体制

医師名役職専門資格
北野 将康きたの まさやす
  • 膠原病・リウマチ内科
    診療部長
  • 膠原病・リウマチ性疾患
  • 医学博士
  • 日本内科学会認定内科医
  • 日本内科学会総合内科専門医
  • 日本リウマチ学会専門医/指導医
  • 日本内科学会近畿支部評議員
  • 日本リウマチ学会評議員
野里 聡子のざと さとこ
  • 膠原病・リウマチ内科
    副医長
  • 膠原病・リウマチ性疾患
  • 医学博士
  • 日本内科学会認定内科医
  • 日本内科学会総合内科専門医
  • 日本リウマチ学会
    リウマチ専門医/指導医
  • 日本リウマチ財団登録医
  • 日本高血圧学会
    高血圧専門医/指導医
  • 日本医師会認定産業医
関 香織せき かおり
  • 膠原病・リウマチ内科
    副医長
  • 膠原病・リウマチ性疾患
  • 日本内科学会認定内科医
  • 日本内科学会総合内科専門医
吉本 良太よしもと りょうた
  • 膠原病・リウマチ内科
    副医長
  • 膠原病・リウマチ疾患
  • 日本内科学会認定内科医
  • 日本リウマチ学会専門医
  • 日本内分泌学会専門医
西川 瑠璃子にしかわ るりこ
  • 後期レジデント
  • 膠原病・リウマチ疾患
伊東 明香根いとう あかね
  • 後期レジデント
  • 膠原病・リウマチ疾患
大北 莉奈おおきた りな
  • 後期レジデント
  • 膠原病・リウマチ疾患

連携医療機関の先生方へ

臨床症状を欠く血液異常<リウマトイド因子(RF)、抗シトルリン化ペプチド(CCP)抗体など>は臨床的意義は乏しく、逆にRF陰性、抗CCP抗体陰性で強い関節腫脹、疼痛のある関節リウマチ患者さんもいます。膠原病では、特に全身性エリテマトーデス、皮膚筋炎/多発性筋炎、ANCA関連を含む血管炎、また特殊な疾患としてキャッスルマン病を多く診ており、トシリズマブの治療経験も豊富です。若年者の膠原病の診療や、膠原病や関節リウマチを持つ患者さんの妊娠、出産も多く経験しています。治療に難渋する、治療強化すべきかどうか迷う患者さんがいらっしゃいましたら遠慮なくご相談ください。