脳卒中・脳血管内治療室
ここ数年で「脳卒中」診療の目覚ましい進歩が起こりましたが、そのエンジンであり続けるものの一つが「脳神経血管内治療」です。
当施設は脳神経疾患に関しては国内でも有数の診療実績を有する施設ですが、今般、さらなる診療の充実を果たすべく、「脳卒中・脳血管内治療室」を開設いたしました。
関係各方面のご努力、ご協力に感謝申し上げますとともに、さらに当施設が発展し、地域医療に貢献し続けられるよう努力を怠らない所存です。
- 脳血管内治療の世界的パイオニア、滝和郎先生とともに
- 24時間対応チーム
特色
私たちは、我が国の「国民病」といわれる脳卒中診療に力を尽くします
脳卒中診療は、例え同じ治療を行ったとしても1分でも遅れれば、転帰に天と地の違いがでることから、『スピードが命』と言われます。
当施設では2021年4月から24時間365日体制で脳卒中患者の受け入れを開始し、2022年4月から日本脳卒中学会より一次脳卒中センター(PSC;Primary Stroke Center)・2023年4月から脳卒中研修教育施設に認定されました。
急性期脳卒中に対して日本脳神経血管内治療学会専門医・三学会承認脳血栓回収療法実施医・日本脳卒中学会専門医・日本神経学会専門医・日本脳神経外科学会専門医が協力して血栓溶解療法(rt-PA療法)・カテーテルによる血栓回収療法を含めて対応しています。また、脳卒中発症予防目的のコイル塞栓術・頚動脈ステント留置術や脳脊髄シャント疾患(動静脈奇形・硬膜動静脈瘻)などの塞栓術も行っています。
治療実績 診療実績
対象疾患と治療方法には以下のようなものがあります。
- 脳動脈瘤に対するコイル塞栓術
- 頚動脈狭窄症に対するステント治療
- 脳脊髄シャント疾患(動静脈奇形、動静脈瘻)に対する塞栓術
- 急性期脳梗塞に対する再開通療法
- 頭蓋内/頸部血管狭窄に対する血管形成術
- 脳腫瘍に対する塞栓術
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脳動脈瘤
- 脳動脈瘤のコイル塞栓術
- 前交通動脈の未破裂動脈瘤(左)に対し、コイル塞栓術を施行し(中)、閉塞した(右)。
脳動脈瘤はくも膜下出血の原因であり、将来的な破裂の可能性が高ければ、治療を考慮します。破裂の可能性は年齢、大きさ、部位、形態より判断します。コイル治療は脳深部のもの、入り口の狭い形のものに向きますが、ステントの併用により入り口の広い形のものも治療できるようになりました。治療には1週間程度の入院が必要ですが、退院後の自宅安静は不要で、通常すぐに元の生活に戻れます。
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頸動脈狭窄症に対するステント治療
- 頸動脈ステント留置術
- 内頚動脈の高度狭窄(左)を、ステントとバルーンカテーテル(中)で、拡張した(右)。
頸動脈狭窄は脳梗塞の原因であり、基本は薬物による治療です。しかし一度でも脳梗塞や目の症状があった場合、狭窄が高度の場合、血行再建治療が必要となります。それには血管内治療であるステント治療と外科治療である内膜剥離術があり、全身状態や血管の状態によりどちらの治療が適切か判断します。治療には1週間程度の入院が必要ですが、退院後の自宅安静は不要で、通常すぐに元の生活に戻れます。
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脳脊髄シャント疾患(動静脈奇形、動静脈瘻)に対する塞栓術
- 硬膜動静脈瘻に対する塞栓術
- 硬膜動静脈瘻(左)に対し、塞栓術を施行(中)し、閉塞した(右)。
硬膜動静脈瘻は脳を包む膜にできる異常血管で、耳鳴りや眼症状(充血、むくみ、2つに見える)で発症し、悪化すると脳出血、てんかん発作、痴呆症、意識障害などを生じます。症状がある場合や、症状がなくても脳出血を生じる可能性がある場合は治療をすべきです。血管内治療が適応となりますが、高度な神経放射線的知識と技術が必要で、経験の多い施設での治療が望ましいと思います。
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急性期脳梗塞に対する再開通療法
- 急性脳主幹動脈閉塞に対する再開通療法
- 急性内頚動脈閉塞(左)に対し、ペナンブラシステムによる再開通治療を施行(中)し、再開通させた(右)。
発症4.5時間以内の超急性期脳梗塞に対する標準治療は、tPA静注療法ですが、治療可能時間帯が短いため適応となる割合は脳梗塞症例の5%以下にとどまり、また無効例、禁忌例も多いのが現状です。一方、血管内治療の技術革新は著しく、多くの血栓回収カテーテルが開発され、容易に閉塞血管を再開通させることが可能となっていますが、本治療を成功させるためには特殊なチーム医療が要求されます。
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頭蓋内/頸部血管狭窄に対する塞栓術
大動脈近くの椎骨動脈や鎖骨下動脈の狭窄病変は、この血管が脳への重要な血液のルートであるため、危険な脳梗塞の原因となります。
この大血管に対する血管形成・ステント治療も脳神経血管内治療の重要な役割です。また、最近の脳神経領域のカテーテル器材の進歩により、頭蓋内血管そのものへの血管形成も比較的安全に行うことができるようになっています。
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脳腫瘍に対する塞栓術
血流豊富な脳腫瘍を、手術で摘出する際には、絶えず術中出血のリスクが伴います。
血管内治療では、手術に先立ち、液体・固体塞栓物質により腫瘍血管の処理を行い、安全な手術が可能となるよう支援的塞栓術を行います。
お問い合わせ
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研究内容
スタッフ体制
医師名 | 役職 | 専門 | 資格 |
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連携医療機関の先生方へ
私たちは、『脳血管に関わる、ありとあらゆる心配事』に真摯に向き合います
近隣の先生方におかれましては是非、気軽に『脳血管障害が疑われるどのような患者さま』をも御紹介いただければ幸いです。
なお、医療従事者向け会員登録サイト「m3.com」内にも当科紹介記事を掲載しています。
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https://renkei.m3.com/articles/264