腎臓・高血圧内科

腎臓・高血圧内科

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特色

腎臓・高血圧内科とは、腎臓内科と高血圧内科の両方をあわせた科です。もちろん、そのことによって腎臓内科や高血圧内科としての診療が"うすくなる"ようなことは決してありません。むしろ逆なのです。というのは腎臓疾患ではその経過中にしばしば血圧の異常を伴いやすいこと、また逆に高血圧症ではその経過中にしばしば腎機能障害をきたすことから、"腎臓"と"高血圧"には強い関連があり、その両方をきちんと診療できることがきわめて重要なのです。尚、当院は日本腎臓学会認定研修施設、日本高血圧学会認定施設です。

住友病院、腎臓・高血圧内科へは、健診や診療所ほかの病院で、検尿、血液検査、血圧測定などで異常を指摘されて紹介されてこられる方がほとんどです。紹介状があったり、正確な"病歴"(いつからどのような症状があり、いままでどのようにしてきたなど)がわかれば、適切な診断・治療にたどりつきやすく、情報は多いほうが望ましいです。もちろん、いつのまにか気づかないうちに、あるとき"病気"を指摘されることもあります。

対象疾患と診療内容

  • 腎臓内科

    腎臓病としては、慢性腎炎、急性腎炎、急速進行性腎炎、ネフロ―ゼ症候群、保存期慢性腎不全など多くの病気があります。いずれも早期発見、早期治療が重要です。腎臓病の診断として重要なのは"腎生検"です。これは入院して、局所麻酔を行って腎臓のごく一部を専用の針を用いて採取し、この採取したものを、通常の顕微鏡や電子顕微鏡などを用いて検査し、病気の種類、病気の程度を診断する検査方法です。治療方法はこの検査によって決定することが多いのです。しかし、中には残念ながら有効な治療法がないとわかる場合もあります。実際、住友病院では年間約70~80人の方が腎生検を受けられています。腎生検の必要性については、各病院間で多少の"温度差"はあります。住友病院では必要性が高く、かつ安全性が非常に高い場合のみ、この検査を行っています。決してすべての患者さまに行うわけではありません。この検査によって、IgA腎症(IgA腎炎)、膜性腎症(膜性腎炎)、微小変化型ネフロ―ゼ症候群と診断されることが多く、それぞれ、推奨される標準的治療を基本に、個々の患者さまの病状を詳細に考えた上で、"サジかげん"をしています。もし、腎機能が非常に悪化した状況の場合には腎センターにて専門チームによる治療を受ける必要が生じます。

    常染色体優性多発性のう胞腎に対するサムスカ錠の処方を開始しました

    今まで治療薬のなかった多発性嚢胞腎(常染色体優性多発性のう胞腎)に対する世界初の治療薬、「サムスカ錠」が発売されました。この薬剤(サムスカ)処方に必要な条件を当院腎臓内科医師7名がクリアしています。プライバシーの問題から「多発性嚢胞腎専門外来」をあえて標榜しておりません。腎臓・高血圧内科のどの診察日でも、多発性嚢胞腎の診療、サムスカ処方を行えます。

  • 高血圧内科

    高血圧症には、大きく二つのタイプがあります。一つは本態性高血圧といって、現在のところ厳密な意味で原因不明(遺伝的素質と環境因子で生じると言われていますが)のタイプです。もう一つは二次性高血圧といって、何らかの病気がありその症状のひとつとして血圧が上昇するタイプです。高血圧の診療は、適正な血圧にコントロールすることが重要ですが、そのためにはこの高血圧の原因を調べることがきわめて重要です。まず、このどちらのタイプかを調べ、二次性高血圧ならさらにその中のどのタイプかを調べていくことが重要です。タイプと程度、さらにその人の"体質"によって、治療方法が異なってきます。例えば、二次性高血圧の1つである原発性アルドステロン症(高血圧の人の中で7人に1人がこの原発性アルドステロン症と言われています)では、本態性高血圧の人と比べて脳卒中が起こりやすく、確実な診断とそれに基づいた治療が必須です。この確定診断には、選択的副腎静脈サンプリング検査という、特に技術を必要とする検査があります。住友病院では、この検査に習熟した医師(放射線診断科 山本診療主任部長)がおります。また二次性高血圧の一つである褐色細胞腫の診断については、一般的には困難な場合も多いですが、当院ではSPECT-CT-シンチという特殊な方法で、小さな異常から確実に診断出来ています。原発性アルドステロン症も褐色細胞腫も手術(内視鏡手術)で治療を行う場合があります。これらは当院泌尿器科が担当しています。

    「腎援隊」の腎代替療法の相談ができる病院リストに当院が登録されました (「病院を探そう!」から検索できます)

  • 当科で可能な主要な検査

    各種血液検査、尿検査、 腹部エコー、腎血管ドップラー、CT、MRI、腎シンチ、腎生検

治療実績 診療実績

患者数(2022年度)

外来患者延数
11,567人
外来患者月平均
964人
入院患者延数
2,472人
入院患者月平均
206人
外来紹介率:72.9%

腎臓・高血圧疾患の患者さまは、 常時10-20名入院されています。

2022年腎生検 65件

認定施設

  • 腎臓学会研修施設
  • 日本高血圧学会認定施設
  • 透析医学会認定施設
  • 日本内科学会認定内科専門医教育病院

スタッフ体制

医師名役職専門資格
阪口 勝彦さかぐち かつひこ
  • 内科系副院長
  • 兼 患者支援連携センター
    センター長
  • 兼 臨床工学部長
  • 兼 書類センター長
  • 兼 腎臓・高血圧内科
  • 兼 腎センター
  • 兼 下肢救済センター
  • ・透析患者に併発する
    種々の合併症の診断治療
  • ・保存期腎不全患者の治療
  • ・高血圧の診断治療
  • 医学博士
  • 日本内科学会認定医/指導医
  • 日本腎臓学会指導医
  • 日本高血圧学会指導医
    /特別正会員
  • 日本透析医学会指導医
  • 日本老年医学会指導医
森島 淳之もりしま あつゆき
  • 腎臓・高血圧内科
    診療主任部長
  • 兼 腎センター長
  • 兼 血液浄化室室長
  • 高血圧
  • 腎炎
  • 医学博士
  • 日本内科学会 総合内科
    専門医 /指導医
  • 日本腎臓学会指導医
  • 日本高血圧学会指導医
  • 日本透析医学会指導医
  • 日本老年病医学会 指導医
  • 日本臨床腎移植学会認定医
角田 慎一郎つのだ しんいちろう
  • 感染制御部診療主任部長
  • 兼 腎臓・高血圧内科
    診療部長
  • 兼 腎センター
  • 兼 患者支援連携センター
    副センター長
  • ・膠原病に伴う腎臓病
    (血管炎、SLE等)
  • ・リンパ増殖性疾患の診断・治療
    (キャッスルマン病、IgG4関連疾患等)
  • 医学博士
  • 日本内科学会認定医/指導医
  • 日本内科学会総合内科専門医
  • 日本腎臓学会専門医/指導医
  • 日本透析医学会専門医/指導医
  • 日本リウマチ学会専門医/指導医
  • 日本内科学会近畿支部評議員
  • 日本リウマチ学会評議員
  • 認定産業医
島田 優里しまだ ゆり
  • 腎臓・高血圧内科
  • 兼 腎センター
  • 腎臓病一般
  • 医学博士
  • 日本内科学会認定医
  • 日本腎臓学会専門医
佐藤 大飛さとう だいひ
  • 腎臓・高血圧内科
  • 兼 腎センター
      髙見 洋太郎たかみ ようたろう
      • 腎臓・高血圧内科
      • 兼 腎センター
          池田 奈央いけだ なお
          • 腎臓・高血圧内科
          • 兼 腎センター
              渡邉 昭詞わたなべ あきのり
              • 腎臓・高血圧内科
              • 兼 腎センター
                  永井 道子ながい みちこ
                  • 非常勤医師
                  • 腎臓病一般
                    寺嶋 謙てらしま けん
                    • 非常勤医師
                    • 腎臓病一般

                      入院時には、内科病棟担当医がこれに加わることもあります。

                      連携医療機関の先生方へ

                      周辺の医療機関の先生方から、信頼され選んでいただけるように、患者さまに高度な医療を安心して受けていただくことに努めています。

                      なお、医療従事者向け会員登録サイト「m3.com」内にも当科紹介記事を掲載しています。
                      下記URLよりご参照ください。(※閲覧にはm3会員IDでのログインが必要になります)
                      https://renkei.m3.com/articles/238