当院には静磁場強度が1.5テスラ(T)のGE社製signa EXCITE HD-X (2014年9月Ver.23)と3.0テスラ(T)のSIEMENS社製MAGNETOM skyra3.0T(2015年1月導入)の超電導型MRI装置が稼働しています。
全身のあらゆる領域で広く利用され、より精度の高い検査を行っています。MRI装置2台で1日40件程度の検査を実施しています。
MRIとは?
Magnetic Resonance Imaging:磁気共鳴画像診断検査の略称です。簡単な原理を紹介します。強力な磁場の中に置かれた人体に特別な周波数のラジオ波(RF波)を照射すると、体内の水素原子核はこのRF波の影響で一斉に決まった方向に回転振動を始めます。次にラジオ波の照射を止めると水素原子核は、本来の回転方向へ戻ろうとするときに微弱なMR信号を出すのです。この得られたMR信号は、受信機を通してコンピューターへ入力されフーリエ変換を行います。その際に生じた組織間の信号強度の違いを画像再構成して、濃淡の異なる白黒画像を表示しているのです。
MRIの特徴と利点について
放射線による被曝がないため繰り返し検査を受けることが可能です。さらに、体のあらゆる方向の断面像が自由に得られ、組織間のコントラストが高いため病変の検出にも優れています。特に急性期の脳梗塞の鑑別診断に有効に用いられており、X線検査では描出できない脳・脊髄・神経・筋肉・腱・椎間板・血管等を強調して描出することが可能です。また、造影剤を使用せずに生体内の様々な液体を選択的に画像化することも出来ます。これらは、MRハイドログラフィ(MR hydrography )と呼ばれ、唾液腺( MR sialography )、胆管内の胆汁と膵管内の膵液(MRCP MR cholangiopancreatography)、腎盂・尿管・膀胱(MR urography)を描出することができます。なかでも頭頚部や腹部、両下肢の血管血流画像(MRA)が得られることも特徴です。脊椎系、四肢関節、骨盤部の子宮、卵巣、前立腺など、色々な病気の早期発見、診断に有効です。近年では医療現場のみならず、スポーツ医学や分析の分野でも最先端画像装置として研究が進んでおり、ますます活躍の場が広がっています。
MRIの注意点について
強力な磁石をしているためMRI非対応の金属製品を検査室内へ持ち込むことは出来ません。したがいまして、MRI非対応の金属(心臓ペースメーカー、埋め込み式除細動器等の生体維持装置、脳動脈瘤クリップ、材質不明の人工関節等)が体内にある埋め込まれている方は受診する事が出来ない場合があります。検査中に体内に設置された導電性物質の発熱により熱感を感じたり、刺青やアートメイクは色素が変色する恐れがあり、また最悪の場合、熱傷にいたる報告もあります。妊婦初期や妊娠の可能性のある方や閉所恐怖症、安静が維持できない方は受診出来ない場合があります。MRI装置の特徴でもありますが、内蔵された強力な磁石の一種である傾斜磁場コイルの振動により非常に大きな音が鳴ります。検査中は仰向けの状態または、乳房検査の場合はうつ伏せの体位で動くことができませんので注意が必要です。
検査所要時間
| 頭部・頚部 |
15~30分 |
| 腹部 |
20~40分 |
| 骨盤部 |
20~40分 |
| 脊椎 |
15~30分 |
| 乳腺 |
40分 |
| 四肢 |
20分 |
| 心臓 |
45分 |
MRI検査の注意事項
MRI検査を受診出来ない場合があります!下記の場合には必ず担当スタッフへお申し出下さい!
- 心臓ペースメーカー・体内自動除細動器・骨成長刺激装置・体内神経刺激装置・人工内耳・注入ポンプなどの電気および機械的に作動する体内埋め込み機器のある方
- 安全確認が不明な血管クリップ(頭蓋内動脈瘤クリップ等)がある方
- 体内に磁性体金属がある方、材質不明金属がある方(体内に金属片や鉄粉や弾丸など)
- 体外金属が外れない方(ピアス、指輪など)
- 刺青のある方、アートメイクをしている方
- 妊娠の可能性のある方、妊娠中の方、授乳中の方
- 血管へのステント留置術を8週間以内に受けられた方
- 古い人工心臓弁の手術を受けられている方
- 眼に微細な金属片が入っている方(または入っている可能性のある方)
- 金属製の義眼底の方
- 高度の閉所恐怖症のある方
- 安静が保持できない方
- ※ 頭頚部、特に眼窩周辺の検査の場合、お化粧(アイライン、マスカラ、付けまつ毛)を落としていただくことがあります。
- ※ カラーコンタクトレンズは、発色材として金属が使われている場合があり、大変危険ですので取り外していただきます
<1.5テスラ(T)のGE社製signa EXCITE HD-X(Ver.23)のご紹介>
当院では2014年9月より1.5T装置のSigna EXCITE HD-XをVer.23へグレードアップを致しました。
このVer.23による特徴は、動きや呼吸に伴うアーチファクトの制御です。かつてない高精細なイメージングで、幅広い検査部位への対応、3D Delta Flow 非造影MRAパッケージによる血管撮影時のタイミングのズレの排除、スキャン時間の低減等、新しい脂肪抑制法 “IDEAL-FLEX”など最新アプリケーションを装備しています。
MRIの新たな有用性を引き出す ~3次元Volumeアプリケーション~ と ~体動補正技術~ “3D ASL”
頭部領域における非造影パフュージョンで、3D法により全脳を高いSNRでデータ収集を行うことが出来ます。
“3D Delta Flow 非造影MRAパッケージ”
Inhance 3D Deltaflowによって下肢のMRAを短時間で撮像することが可能になりました。頭部領域や下肢領域だけでなく、腹部領域(主に腎動脈)の血管撮像も、造影剤を用いずに撮像することも可能です。
“IDEAL” &“ FLEX”
従来脂肪抑制が困難な領域、部位においても均一な脂肪抑制画像を提供します。
頸部や金属固定金具などの脂肪抑制が困難な場合でも、“IDEAL”「3ポイントDixon法でより正確に」磁場抑制むらのない、均一な脂肪抑制画像を得ることができます。LAVAとの組み合わせによる“LAVA-FLEX”「2ポイントDixon法」でより高速にダイナミック撮像、息止め撮像で使用可能です。
“CUBE”
T2強調像やプロトン強調画像、FLAIRをアイソトロピックな3Dデータが得られます。特に、FLAIRと組み合わせたCube-FLAIR法は、無症候性脳梗塞診断の新たな撮像法として有用です。
“SWAN”(T2 Star Weighted MR angiography)
SWANは、3D高速グラディエントエコー法にマルチエコーの収集を組み合わせたパルスシーケンスです。ヘモジデリンの沈着による磁場の乱れを画像化するアプケーションで、主に頭部領域における微小出血の検出などに有効な撮像法です。
“PROPELLER”
PROPELLERは, K空間中心をRadial様に充填し、積算効果を利用したFSE (fast spin echo)法と言えます。頭部の動きの補正だけでなく、全身の体動補正が可能です。
造影剤について
- 造影剤の種類 -
◆ガドリニウム造影剤と肝臓用造影剤(EOB・プリモビスト)
病気の種類や検査目的に応じてMRI専用のガドリニウム造影剤や肝臓用MRI造影剤EOB・プリモビストを使用します。造影剤を用いることで血管の状態をより鮮明に描出することが可能です。
また、病変の異常信号を検出し、血流動態を捉えることで病変の質的診断精度の向上に繋がります。
◆MRI用経口消化管造影剤(ボースデル内用液10)
胆道および膵管の撮影を目的MRCP(磁気共鳴胆道膵管撮影)とした “飲む陰性造影剤”です。
胃や十二指腸内に貯留した水分の信号を抑制して、胆道・膵管の信号を強調して明瞭に描出することが期待できます。
造影剤の注意事項
※以下の方は造影剤を使用できないことがありますので,事前に医師にお申し出下さい。
- 今までに造影剤を使用して気分が悪くなったり,じんましんが出たりしたことがある方
- 喘息(ぜんそく)がある方,喘息にかかったことがある方
- アレルギー体質の方
- 重度の肝臓疾患,腎臓疾患のある方
- 1)検査当日になって体調変化などで造影検査を受けたくない場合、MRI検査室のスタッフに御相談下さい。
- 2)疾患の種類により造影剤を使用しないと正しい診断が出来ない場合がりあります。
- 3)造影剤使用時は十分注意しながら施行しています。また、迅速な処置がとれるように整備しています。
- 4)検査終了後は、安静などの必要はなく、食事制限や入浴制限などはありません。普段通りの生活で問題ありません。
- 5)造影剤は、尿や便と一緒に排出されます。排泄を促進するため、水分を多めにとって下さい。
- 6)授乳中の場合方は、約48時間経過するまで授乳を控えて下さい。
- 7)基本的には安全な薬剤とされていますが、まれにアレルギー反応による悪心や発疹、痒みを生じる場合があります。重症な場合、呼吸困難、血圧低下、意識障害、痙攣発作など様々な副作用が生じる場合があります。
- 8)検査終了後や帰宅後にこのような症状がでる場合もあります。速やかに最寄りの医療機関を受診して下さい。