チーム医療のご紹介

チーム医療のご紹介

患者さま一人ひとりに最適な治療を提供するためには、医師・看護師・薬剤師・リハビリ専門職など、多職種が連携する「チーム医療」が不可欠です。
それぞれの専門性を活かしながら情報を共有し、協力することで、より質の高い医療を実現し、患者さまの安心と満足度につなげることができます。
こちらのページではチーム医療の具体的な取り組みについて紹介いたします。



緩和ケアチーム
(PCT:Palliative Care Team)

チーム概要

緩和ケアは、病気による痛みや不安、ストレスを和らげ、患者さまが可能な限り快適に過ごしていただくための医療やケアのことをいいます。また、緩和ケアは終末期だけのものではありません。病気の診断時や治療を続けている途中でも、つらい症状や不安が強くなることがあります。その時はつらさを和らげるための治療として病気の治療と同時に緩和ケアを受けることが大切です。
私たち緩和ケアチームは、医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、理学・作業療法士、社会福祉士、公認心理師、医療事務など様々な専門職で構成され、連携して患者さまの支援をいたします。
ここで最も重要なのは、患者さまとそのご家族もチームの一員であるということです。患者さま自身のご希望や価値観を尊重し、ご家族の思いも確認しながらよりよいケアを提供し、共に歩んでいくことを目指しています。困っていることや心配なことがありましたら、緩和ケアチームにご相談ください。

主な活動内容

  1. 苦痛症状のコントロール
  2. 患者さまおよびご家族の心理的サポート
  3. 意思決定支援
  4. 多職種連携で患者さまおよびご家族を支援する
  5. 緩和ケアの質向上のための活動(院内、院外研修などでの研鑽、教育に携わる)
  6. 地域との連携(地域の医療機関や施設との調整・緩和ケアに関する啓蒙活動や講習の実施)

メンバー構成

医師・・・8名
看護師・・・3名
薬剤師・・・1名
理学療法士・・・1名
作業療法士・・・1名
管理栄養士・・・1名
公認心理師・・・1名
医療ソーシャルワーカー・・・1名
事務員・・・3名

褥瘡対策チーム

チーム概要

褥瘡対策チームは、褥瘡(じょくそう、床ずれ)を予防し、治療するために活動する専門チームです。褥瘡は、長時間同じ姿勢でいることによって皮膚や組織が圧迫されてできる傷です。
チームの活動目的は、褥瘡の発生を防ぎ、既にできた褥瘡の治癒を促進することです。患者さまの肌を守り、健康を維持するために様々な取り組みを行っています。
患者さまが快適に過ごせるよう、また、そのご家族や介護をする方に対して褥瘡の予防方法やケアのポイントを指導し、ご自宅やご施設でも継続的にケアが行えるよう支援しています。

主な活動内容

  1. 皮膚状況の確認と判断
  2. 体圧管理方法の提案
  3. 褥瘡の治癒促進のための栄養管理
  4. 褥瘡の治癒促進のための治療
  5. 褥瘡管理、ケア体制の構築と継続フォロー

メンバー構成

医師・・・3名
看護師・・・11名
管理栄養士・・・1名
理学療法士・・・2名
事務員・・・1名

栄養サポートチーム
(NST:Nutrition Support Team)

チーム概要

NST(Nutrition Support Team, 栄養サポートチーム)は、患者さまに最適な栄養療法を提供することを目的とし多職種により構成され、当院では医師・看護師・薬剤師・管理栄養士・臨床検査技師・理学療法士・言語聴覚士・歯科衛生士が活動しています。
低栄養状態では、体力・筋力・免疫力などが低下し、治療効果がうまく発揮されず、入院期間が長引くと言われており、必要に応じてNSTが介入し、適切な栄養補給方法の提案・疾患の回復や合併症予防に有効な栄養管理方法の提案などを行っています。

主な活動内容

  1. 週1回回診(隔週交代:木曜日・水曜日)
  2. 週1回カンファレンス
  3. 勉強会*不定期開催

メンバー構成

医師・・・6名
看護師・・・5名
栄養士・・・6名
薬剤師・・・2名
理学療法士・・・1名
言語聴覚士・・・1名
歯科衛生士・・・1名
臨床検査技師・・・1名
事務員・・・1名

感染対策チーム
(ICT:Infection Control Team)

チーム概要

当院では、院内感染対策を最優先事項として取り組んでおり、その活動の中心に位置するのが「院内感染対策チーム」です。このチームは、医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師、事務職員など、さまざまな専門職のスタッフが一丸となって活動しており、院内感染の予防と早期発見、迅速な対応を目指しています。多職種が連携することにより、各職種の専門知識と技術が相互に補完し合い、感染の拡大を防ぐための最適な対応が可能となります。そのため、チーム全体で情報共有を密にし、柔軟かつ協力的な姿勢で問題解決にあたるように心がけています。また、標準予防対策の徹底を目指し、職員の手指衛生遵守状況の確認ラウンドを実施しています。感染症の拡大を防ぐためには、医療機関だけでなく、地域全体で協力し合うことが大切です。そのため、当院では地域との連携を深め、地域全体の感染症対策の向上にも貢献できるよう日々活動しています。

主な活動内容

  1. 感染症の発生状況の監視・分析
  2. 感染拡大防止のための対策立案と実施
  3. 施設内外の衛生管理の強化
  4. 感染リスクの高い場所や人々への対応策提供
  5. 職員への感染対策教育・訓練
  6. 職業感染防止対策の推進
  7. 感染症拡大時の対応マニュアル作成
  8. 定期的な感染状況報告・レビュー
  9. 外部機関との連携・情報共有

メンバー構成

医師・・・7名
看護師・・・9名
薬剤師・・・1名
臨床検査技師・・・3名
放射線技師・・1名
臨床工学技師・・・2名
理学療法士・・・1名
栄養士・・・1名
事務員・・・1名

認知症ケア・せん妄対策チーム

チーム概要

入院による環境の変化は、高齢者や認知症の人にとって大きなストレスとなり、それに加えて病気による身体の不調を感じ、慣れない治療を受けなければなりません。認知症の人の抱える身体の苦痛や不安、混乱を理解し、個々人にとって安全で安寧な療養環境を整え、安心して治療を受けられるように、多職種(医師、薬剤師、認定看護師、作業療法士、言語聴覚士、管理栄養士、社会福祉士、事務など)で構成したチームで支援を行っています。

主な活動内容

  1. 認知症の基礎疾患や患者さまの全身状態を把握
  2. 認知症の行動・心理症状(BPSD)に対する環境調整やケアについて助言・提案
  3. 認知機能検査の実施・評価
  4. せん妄発症の予防や初期介入、ケアの助言・提案
  5. せん妄発症時のケア、薬剤調整の助言・提案
  6. 患者さまやご家族の心理的、身体的な苦痛の軽減
  7. 認知症ケア・せん妄予防ケアの啓発活動

メンバー構成

医師 ・・・4名
看護師・・・4名(認知症看護認定看護師2名)
薬剤師・・・1名
検査技師・・・1名
作業療法士・・・1名
言語聴覚士・・・1名
社会福祉士・・・1名
管理栄養士・・・1名
事務員・・・1名

呼吸ケアサポートチーム
(RST:Respiratory Support Team)

チーム概要

呼吸ケアサポートチーム(RST)は、人工呼吸が必要な患者さまの治療、看護ケア、器械の管理、リハビリ、薬の使い方、口腔ケアについてアドバイスを行い、医療の質向上に努めることを目的として、2010年に発足しました。主な活動は週一回、人工呼吸器をつけた患者さまに回診を行い、年に数回、医師や看護師を対象とした研修会を実施しています。RSTのメンバーは呼吸器外科、呼吸器内科、麻酔科、歯科医師をはじめ、臨床工学技士、理学療法士、薬剤師、管理栄養士、歯科衛生士、集中ケア認定看護師や呼吸療法認定士の資格を有した看護師と、様々な職種の「呼吸」に精通するスタッフが所属し、人工呼吸器をつけた患者さまを多方面からサポートしています。日々進歩する医療の中で、RSTも新しい呼吸ケアの知識、技術の向上に努めています。これからも患者さまおよびスタッフを可能な限りサポートしていきます。

主な活動内容

  1. RST回診(週1回)
  2. RST主催講習会(医師向け・看護師向け)
  3. 呼吸関連のコンサルテーション
  4. 人工呼吸器マニュアル整備

メンバー構成

医師・・・6名
歯科医師・・・1名
看護師・・・5名
薬剤師・・・1名
理学療法士・・・3名
臨床工学技士・・・3名
管理栄養士・・・2名
歯科衛生士・・・1名
事務員・・・1名

排尿ケアチーム

チーム概要

排尿ケアチームは、排尿に関する問題を抱える患者さまの支援を専門とする医療チームです。目的は、患者さまがより快適で自立した生活を送れるようにすることです。チームには、医師、看護師、理学療法士などが所属しており、各専門家が協力し合い、一人ひとりの症状や生活状況に合わせた最適なケアプランを提供します。さらに、患者さまだけでなく、そのご家族や介護をする方にも適切な情報提供や指導を行い、日常生活でのサポート体制を強化します。

主な活動内容

  1. 失禁や尿閉、頻尿などの原因検索と、治療・ケア計画の立案
  2. 失禁予防・改善のトレーニングや各種デバイスの管理方法の説明

メンバー構成

医師・・・7名
看護師・・・9名
理学療法士・・・1名
事務員・・・1名

身体的拘束最小化チーム

チーム概要

身体的拘束最小化チームは、医療の現場において、患者さまの尊厳を守りつつ、安全を確保することを目的に、身体的拘束を最小限に抑えるため支援を行う専門チームです。現代の医療・福祉において、身体的拘束は安全管理の一環として行われることがありますが、過度な拘束は身体的・心理的な負担を引き起こし、長期的には健康に悪影響を及ぼすことが懸念されています。そこでこのチームは、患者さま一人ひとりの状況に合わせたケアを提供し、自由を尊重する環境作りを目指します。 具体的には、患者さまの状態を細かく評価し、拘束を避けるための代替手段(例えば、環境の整備や精神的サポート)を導入します。また、スタッフへの教育を通じて、適切なケアを提供できるように支援します。さらに、他の医療従事者と連携し、全体でサポート体制を強化していくことも重要な取り組みです。このチームは、患者さまの尊厳を重んじ、倫理的で人道的なケアの提供を目指しています。

主な活動内容

  1. 病棟をラウンドを実施しそれぞれの職種が現状を把握しフィードバックを行う
    • 医師・薬剤師
      内服薬の調整
    • 理学療法士 作業療法士
      患者さまのADLを確認し環境整備のアドバイス
    • 看護師
      個人の尊厳、プライバシーの保護の観点から患者さまの現状を確認し改善に向けてのアドバイス
    • 事務
      記録作成 データ集計
  2. 職員研修

メンバー構成

医師・・・2名
看護師・・・5名
理学療法士・・・1名
作業療法士・・・1名
薬剤師・・・1名
事務員・・・2名

院内迅速対応チーム
(RRT:Rapid Response Team)

チーム概要

RRS(Rapid Response System:院内迅速対応システム)とは、多くの「急変」には前兆があるという点に着目した院内対応システムです。患者さまが重篤な状態になる前に、その前兆を早期に認知し速やかに対応することで、急変を未然に防ぐことを目的にしています。
当院においては、2023年11月にRRT(院内迅速対応チーム)が発足しました。主な活動内容は、①病棟入院中で急変が懸念される患者さまの評価と対応 ②ICU・CCU退室後の一部のハイリスク患者さまへの訪問、急変予防評価の実施と対応などです。急変リスクの高い患者さまへの迅速な対応を通して重症化予防に取り組み、急変事例の減少に努めております。また、RRTの活動のデータ集積と報告、運用の検討、院内周知を行い、医療の質の向上にも寄与しております。

主な活動内容

  1. 病棟入院中で急変が懸念される患者さまの評価と対応
  2. ICU・CCU退室後の一部のハイリスク患者さまへの訪問、急変予防評価の実施と対応 等

メンバー構成

医師(内科系、外科系)
看護師(ICU・CCU看護師、救急看護師 等)
臨床工学技士

倫理コンサルテーションチーム
(ECT:Ethics Consultation Team)

チーム概要

倫理コンサルテーションチームは、治療やケアにおいて倫理的に判断が難しい問題が生じた場合、院内の各部門や医療チームと連携し、多職種で話し合いながら解決を目指します。患者さまにとって最善の治療方針を実現するために、必要なサポートを行うことがこのチームの役割です。また、ACP(アドバンス・ケア・プランニング)をはじめとした患者さまの意向を尊重した医療・ケア提供について理解し、医療チームが協力して診療にあたれるよう、職員全員に倫理カンファレンスや倫理研修を推進しています。倫理コンサルテーションチームは直接患者さまと会うことは少ないですが、より良い医療を提供するために、裏方として重要な役割を果たしています。このチームの活動により、医療スタッフがより安心して治療に臨めるようサポートしています。

主な活動内容

  1. 患者さまの意向に沿った最善な医療提供に向けた医療チームへの助言
  2. 中立的な立場から患者さまやご家族、医療スタッフ間の話し合いを促進
  3. 難しい倫理的問題を整理分析し医療チームに解決策を提案
  4. 人生の最終段階の医療・ケア提供に関する検討
  5. 病院スタッフに対する患者さまの権利や適切な医療ケアに関する教育企画・運営

メンバー構成

医師・・・3名(内科系・外科系・緩和ケア医)
看護師・・・2名
ソーシャルワーカー・・・1名
薬剤師・・・1名
臨床工学技士・・・1名
セラピスト・・・1名
事務員・・・1名