
院長あいさつ
本院は、大正10(1921)年7月、住友グループの社会貢献活動の一つとして、地域の方々に質の高い医療を提供することを目的に開設されました。平成12(2000)年には現在の地に移転し、21世紀の医療ニーズに対応した先端的な病院として、それに相応しい最新医療設備をも備えた病院として、現在に至っております。
100年という長い歴史と伝統ある住友病院の理念「信頼性の高い医療で社会に貢献」を進めてゆくことに誠心誠意努力する所存であります。
ここ数年で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が瞬く間に世界中に蔓延し、改めて、グローバル化が進んでいることを認識するとともに、感染の広がりのスピードに驚かされます。医療の現場でも、患者さまは、ご家族との面会や自由な行動が制限され、さらに、医療者とも感染防御の観点から十分なコミュニケーションが取れないこともあり、不安に思い、心が満たされないことも多かったのではないでしょうか。医療や経済も混迷を極めておりますが、必ず出口は見えて参ります。このような状況下ではありますが、これまでと変わらず診療科や職種を越えたチームワークに加えて、患者様とのしっかりとしたコミュニケーションを基盤として、良質な医療を提供すべく、職員一丸となり日々邁進しています。
住友病院は、内科系と外科系合わせて30の診療科、ならびに、診療科を超えた専門家からなる14の治療センターを有する総合病院であります。幅広い疾患に対応できる、大変質の高い医療スタッフを有しております。
また、これまでの当院の活動や地道な努力が認められ、News Week誌が選ぶ、「World’s BEST HOSPITALS」に初年2019年度より本年2022年度まで4年続けて選定されております。また「健康経営優良法人 ホワイト500」に選定されたのは大きな喜びです。
世界的にも高く評価されていることに、職員一同喜ばしく思っております。その高い評価に恥じぬよう、今後も努力を惜しまず、頑張りたいと思っております。
私は、医療人というのは優しくあらねばならないと考えております。「優しい」という言葉は、いろいろな思いを込めて使っています。患者さまが抱える病気について深く考え、適切な医療を提供することが必要です。また、患者さまは、なかなか自分の状態や気持ちを伝えられないものだと思います。一人一人の気持ちに近づくことのできる医療人であることも重要です。病気を治したいという患者さまの思いに応えられる病院でありたいと考えています。
さらに、病院の機能を向上させるためには、最新のゲノム医療やAIなどの最新医療技術の導入に加え、様々な専門性を持った方々の多職種連携が必須であります。職員にとっても、快適で働きがいのある環境作りが大切だと考えています。患者さまにも職員にも優しく、高いレベルを有する病院でありたいと思います。また、地域医療連携室を窓口にして、各医院、企業の診療所との連携を密接にとりながら、救急医療も充実させていきたいと考えております。
また、住友病院は、皆様方の健康管理にも力を入れております。住友病院の健康管理センターは、総合健診(日帰り人間ドック、宿泊ドック)や企業の法定定期健康診断および個人の定期健康診断、産業衛生健診の一つである情報機器(VDT:Visual Display Terminals パソコンやテレビなどのモニター機器)作業健診を実施しています。各分野の専門医師と密接に連携し、適切な健康指導をさせていただき、皆様の健康を守っていきたいと考えております。
今後は、住友病院が、地域の中で、その役割を果たすことが出来ますように、常に患者さまの声に耳をかたむけながら、診療面はもちろんのこと、その他のきめ細やかなことに気を配らなければならないと考えております。皆様のご意見ご指導をどうぞよろしくお願い申し上げます。
2022年9月
住友病院 院長